第3章 胸ぐら掴まれる
時期は、冬。
練習後に1年だけの召集がかかりました。
それはなぜか女子バスケ部の顧問でした。実は、学校で1番恐ろしい先生だったんです、、、
話の始まりは、「この中で練習をサボっている奴がいる」という切り出し。
その瞬間、自分は、「うわ、俺だ。終わった…」と思い、覚悟を決めて、話を聞くことに。
怖い先生の周りを中心に円状に体育座りをする部員達。
ゆっくりと状況説明をしながら、右回りに1人ひとりの目を見て回ってきます。
(自分は、左から2,3番目あたりだったので、最後の方でした。)
状況説明をゆっくりしながら、少しずつ近づいてくる先生。
コツ、コツ、コツ。
いよいよ、自分の前に来ました。
足が止まります。
その瞬間に勢いよく胸ぐらを掴まれ、「お前のことだろぉぉがぁぁあああああ!!!!!」
誰もいない大きい体育館に声が響き渡ります。
自分はビシッと背筋を伸ばして体育座りをしていました。
しかし、その状況で胸ぐらを掴まれてしまうと人はこうなるんです。
重心が肩にかかってしまい、一気に足が上がってしまい、体重を支えたお尻が滑ってしまいました。
つるんッ!♪
そんな極度の緊張状態に笑うに笑えない状況になってしまい、
しかし、笑うことは一切許されないので真顔で我慢する自分の横から何かが聞こえてきました。
「ぐすっ、ぐすぅ、うっ」
それは、部員の泣き声だとすぐにわかりました。
あまりの恐ろしさに隣に座る部員が泣き始めてしまったんです。僕は心のそこから
「それ、俺のやつや〜ん」
と説教される中で思ってました。
その後も怒られ続けましたが、涙は一粒も出ませんでした。代わりに部員が第号泣…
おいおい、、、
しかし、今だから思えますが、愛情ある説教には感謝しかありません。
と本気で怒ってくれる人間のありがたさを痛感した夜でした。
第4章 悪い裏切り
時間は流れ、2年生に。
怒られてからは、毎日練習には行きましたが、ほぼマネージャーとして活動していました。
そんな中、優しく見守り、大目に見てくれていた顧問の先生も急遽、他の部活の顧問がいないので代わってしまい、、、
新しい顧問が自分が好きではなかった女子バスケの副顧問が就任。
そして、いよいよ、先輩たちからも疑いの目が入り始めて、立場も悪くなっていく一方でした。
本気で辞めることもよぎりましたが、負けたくないという思いからもう一度立ち上がり、練習再開することにしました。
案の定、キツいし、後輩とほぼ同じ内容の練習内容でやりにくさを感じていました。
そして、いよいよ後輩に混じりながら部内対抗戦をやれるまでになり、
あの説教をしてくれた先生が試合後に一言くれました。
「よく飛んでいるし、フォローにも回れている。その調子で頑張れば2年に追いつけるぞ!」
この言葉は、自分のやる気に火をつけてくれました。
けれど、水を差す事件が発生。
それは、新しい顧問が大会の見学に行くからみんなで行くぞとの話があり、
正直自分は見るよりも体を動かして体力をつけたいからめんどくさいなと思い、
幽霊部員から完全に退部扱いの友達たちと小学校でサッカーをしていました。
そして、翌日、学校に行くと、部員から「お前昨日何してた?やばいぞ?」と唐突に言われました。
話を聞いたところ、昨日小学校に違う中学に行った友達もたまたまいたらしく、
その友達が遊びの帰り道に、大会の見学帰りの部員に自分が遊んでいることを話していたようでした。
その話を聞いたのが2時限目。
刻々と部活の時間が迫る中、5時限目に隣の教室に顧問が授業をやるので、終わった瞬間に謝りに行こうと思い、
どんな言葉をかけたら良いかを1日中、授業中に考えていました。
そして、その来てほしくない時が訪れます。
「先生、すいません…」とまず口が動きました。
どうにか自分のキツいという状況を理解してもらおうと理由を説明しようとしましたが、
「退部届け持って来い!!」と一喝されてしまいました。
その一言で自分は終わった…と思い、燃えていたあのやる気が一気に消えた瞬間でもありました。
悩むことなく翌日に普通は人生で一度も絶対書かない「退部届」を顧問に渡しに行きました。
顧問は何も動じず受けとりました。
この時に、やはりこの先生は何かおかしいなと辞める自分の状況的にもおかしいですが、逆ギレのような怒りがありました。
振り返ると、先輩たちから疑いの目をかけられ、しびれを切らした部長と先輩たちが声かけてきたときも
それに乗っかりやじを言って来たときの顔もどうせ仮病なんだろと言わんばかり顔で見てきました。
絶対に忘れられないですね。
しかし、そんなどうでもいい先生よりも自分のことを思い、説教をしてくれた先生への裏切りが1番の心残りでした。
ちなみに、卒業後くらいにその顧問は体罰かセクハラかが問題で顧問から外されたらしいです。
自分の目に狂いはなかったなと思い、当時の決断に後悔は一切ありませんでした。
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